サーバーエンジニアが描く一般的なキャリアパスには、メンバーやプロジェクトの管理を行う「マネージャー」と道を極める「スペシャリスト」の2つがあります。より詳細な仕事内容やキャリアアップするために役立つ資格を見てみましょう。
(1)マネージャー
マネージャーは、マネジメント職です。主な業務は、予算計画の立案や予算管理、サーバーに関するプロジェクトの横断的な統括など。サーバーエンジニアやネットワークエンジニアなどインフラエンジニアをまとめることも大事な業務です。同職種として現場の経験を積んだ人材が目指します。
身につけておくと良いスキルには、インフラに関する技術スキル、財務諸表の基礎知識、予算管理スキル、マネジメントスキルなどがあります。
■役立つ資格
・PMP:世界標準のプロジェクトマネジメント資格。プロジェクトマネジメントを体系的に学習できます。
・ビジネス会計検定試験:ビジネスマンに求められる会計知識を学べる資格。管理会計知識はマネージャー必須の知識です。
(2)スペシャリスト
スペシャリストは、サーバーに関する高度なスキルと知識でサーバー設計・構築・運用・保守を担う人材です。サーバーの技術領域はさまざまで、Linux・Windows・Unix・AWS・Azureなどがあります。使うサービスは案件によって異なるため、全てを網羅する必要はありません。中でも近年需要が高まっているのは、AWSやAzure。将来性を見据えて学習を始めておくと良いかもしれません。
■役立つ資格
・Windows Server Hybrid Administrator Associate:Windows Serverは、国内で高いシェアを誇るサーバーOS。2021年からスタートしたWindows Serverに関する新しい認定資格です。
・Linuc(Linux技術者認定資格):サーバーOSとしてメジャーなLinuxのスキルを証明する資格。レベル別に分かれているので、段階的に学習できます。
・AWS認定:クラウドサーバーとして世界シェアが上位のAWSを扱うスキルを証明する資格です。AWSには、サーバー/AI/開発プラットフォームなどさまざまな領域があります。それぞれに資格試験があるため、自社で求められる領域を見極めて学習するのが良さそうです。
・Microsoft Azure認定試験:AWSと並び高いシェアを持つ、Microsoftのクラウドサーバースキルを証明する資格です。サーバー管理者向けの資格、サーバー開発者向けの資格に分かれています。
サーバーエンジニアのキャリアパスには、「ジョブチェンジ」、いわゆる転職も挙げられます。サーバーエンジニアとしてキャリアを積んできた方は多職種に転職しやすいことでも知られています。その理由は、開発をする際に、ネットワークアーキテクチャやマネジメントなど、多職種の担当はの業務知識を得られるからです。
具体的に、どのような職種へジョブチェンジできるのか見ていきましょう。
(1)ネットワークエンジニア:
サーバーとPCを結ぶネットワーク担当のエンジニア。行う業務は、LAN・WANなどインターネットへの接続に関するネットワークの設計・構築・運用保守です。
(2)ITアーキテクト:
システム開発の上流工程で、アプリケーションを適切かつ効率よく動かすためのシステムアーキテクチャ設計を行います。
(3)プロジェクトマネージャー:
システム開発におけるプロジェクト全体を掌る人材です。責任者として各種マネジメントを遂行し、プロジェクトを成功へと導きます。
サーバーエンジニアとして活躍するため/次のキャリア選択をするときのために磨いておくと良いスキルの2つのスキルがあります。
サーバーエンジニアをはじめとしたインフラエンジニアがスキルアップするためには、【ITをどのように理解するか】が重要です。ここをしっかり理解できれば、自ずとスキルを高めていけます。基礎理解を深めるために「基本情報技術者」「ITコンサルタント」などの資格を取得することも重要な要素の1つです。
(1)実務経験:
サーバーエンジニアにとって最も重要なのは、実務経験です。案件をごとに異なるさまざまなスキルを身につけられるので、実務経験がたくさん多くある方が望ましいでしょう。勉強をすれば良い/資格を取得すれば良い、というものではありません。どのような案件でも実務を重ねていくことをおすすめします。
(2)コミュニケーションスキル:
サーバーエンジニアにとって、コミュニケーションスキルも必要です。その理由は、1人ではなくチームで業務を進めていくことが多いことが挙げられます。コミュニケーションを図る相手はメンバーだけではありません。クライアントとのやり取りとも多く発生します。トラブルが1つでも起きれば、クライアントに原因や今後の対応などを説明していかなければなりません。技術だけでは伝わらないことも、コミュニケーションスキルがあれば、信頼を深めていくことが可能です。
(3)プログラミングスキル:
本音を言えば、サーバーエンジニアにとってプログラミングスキルは必須ではありません。それよりも、システムの仕組みを理解していることの方が重要です。ただ、最近は少しの修正の場合はサーバーエンジニアが自分で行うことも。それができるエンジニアは、現場で重宝されます。